星たちが輝く夜空を眺めていると、その美しさに見入ってしまうことがあります。星たちは私たちに何を語っているのでしょうか。心に静けさが拡がり夜空との一体感が生まれると、この壮大な宇宙が自分たちの故郷であるかのような懐かしい感覚を覚えるのです。
古代の人々は、太陽や月や惑星と言われる星たちの動きが人間に大きな影響をもたらしていることを知っていて、それらの天体の動きを理解しようと、熱心に空を観察していました。
どうして星たちは、私たち人間に影響をもたらすのでしょうか?
それは、死後の世界と関係していると言われています。私たちの魂のコアにあたる自我は、肉体が死んで自我が肉体を離れると、神々がいる宇宙に帰っていきます。自我は、神々そのものである太陽や月や惑星の世界を巡りながら、また地球に戻る時に向けて準備しているのだそうです。
星たちが奏でる宇宙的な響き・音楽から、私たちの自我は様々な力を受け取り、魂を作り出しているようです。私たちの魂は、この宇宙的な響き・音楽から自我によって生み出された楽器のようなもの。ふたたび地上での生活を始めると、自分の人生というシンフォニーを、「魂という楽器」を用いて奏でていくのです。
この魂の楽器は、宇宙音楽と調和して響き合うこともあれば、不調和な音を奏でることもあります。そして、私たちの魂の楽器の特性を表しているのが、私たちが生まれた時に出生場所から見える天体の配置が記されたホロスコープなのです。
次の図は、ルドルフ・シュタイナーのホロスコープです。ここには、様々な記号が記されています。それらの意味や解釈については、別の機会に説明していきたいと思います。
以下は、シュタイナーがマリーシュタイナーに贈った言葉です。星々と人間の関係が変化し、その沈黙の中で新たな理解や力が生まれ、今、私たちは星たちの声に耳を傾けることが求められていることを示唆しているように感じますが、いかがでしょうか。宇宙が奏でる音楽から自我によって生み出されたあなたの魂の楽器の特性をホロスコープを通して垣間見てみませんか?
「かつて、星々は人間に語りかけていた。
それは世界の運命である。
今、星々が沈黙していること。
この沈黙に気づくことは、
地上の人間にとって痛みとなり得る。
しかし、深まる沈黙の中で、
人間が星々に語りかけるものが育ち、熟していく。
その語りかけに気づくことは、
精神の力となり得る。」
ー1922年にルドルフ・シュタイナーがマリー・シュタイナーに贈った言葉ー
’’The stars once spoke to man.
It is world-destiny.
That they are silent now.
To be aware of this silence.
Can become pain for earthly man.
But in the deepening silence
There grows and ripens
What man speaks to stars.
To be aware of the speaking
Can become strength for spirit-man.’’
by Rudolf Steiner given to Marie Steiner, 1922