冬の夜、どんな風にお過ごしでしょうか?
私は、家族との団欒を楽しんだり、
好きな本を書棚から取り出して
ハチミツがたっぷり入ったお茶を頂きながら
時折、読書に耽ったりしています。
少し前までは、まだ幼かった息子と一緒に
ほっこりとお話の時間を楽しんでいたのを
懐かしく思う今日この頃です。
今回は、幼少期の息子が
私のお話を静かに聞いてくれていた頃、
何度も繰り返し伝えていた
短い物語の一つを紹介できればと思います。
・・・・・・
「いろいろなところへ
連れていってもらおうとした男の子」
男の子が、野原に散歩にでかけました。
小川や、カタツムリ、小舟や、子馬が
僕をいろいろなところへ
連れていってくれました。
けれども、ぼくは、
どこへ連れて行ってもらっても
途中でいやになってしまいました。
だんだん辺りが暗くなり、
男の子は、心細くなってきました。
「おかあさ~ん!」
女の人が向こうから歩いてきてました。
それは、男の子のお母さんでした。
お母さんは
男の子をだきあげ、
その子が
一番すきなおうちに
連れていってくれました。
・・・・・・
お話がおわると、
「よかったね。お話ありがとう。」
と息子が言っていたのを思い出します。
なぜ人は、物語を語り続けるのでしょうか?
お話の中には、
人生の意味、
世界の意味が隠されています。
特に昔から伝わってきたお話は
深い叡智にあふれています。
あるお話は、
私たちがどう生きたらいいのかを
教えてくれます。
人との関わり方や
人生の喜び、
また転機に
どのように対応したらいいのかを
教えてくれるお話もあります。
物話を通じて
私自身を知る楽しみもあります。
お話はそれぞれの人生の旅路を慰め、
力を与えてくれることもあります。
そして、本来の自分の物語を見出し、
知恵に従って生きることを
手伝ってくれるのだと思います。