私の夢の中に現れたのは、小さな少女?
記憶を辿りながら、色や形と戯れて
現れたのは人魚姫でした。
声を届けたい。想いを届けたい。
王子さまが
私を思い出してくれなかったら、
私は海の泡になって
消えてしまう。
どうして人魚姫は
それでも人間界に来たのでしょうか?
人をうらむことはできるけど、
人魚姫は
きっと王子さまを
恨んだりしないでしょう。
でも、恨まない道を選ぶのだとしたら
想いを伝えたい。
愛を伝えたい。
泡になっても、
それでも王子さまが
あなたが好きだと。
泡になって消えてしまっても、
王子さまに
「あなたに出会えて よかった」と。
そんな想いを伝えたい。
愛していると伝えたい。
だから詠い続ける。
いつまでも、いつまでも。
泡になり、
姿が見えなくなっても、
海の奥底から
声なき声が風に乗って
いつかあなたを
やさしく包みこんで
くれるように……