占星術におけるハウス(室)とは?

占星術ノート

ハウス(室)とは?

黄道帯 (zodiac) の原型的な世界のあり方が、

上のごとく、下もしかり」

という照応原理(相互に関連し、対応しあう法則)によって引き下ろされたもの。 

それが、12のハウス(室)と考えられています。

これらのハウスは、私たちがこの世に誕生した場所と時間に結びつけられています。

上の図のように、生まれた場所と時間に南を向いて立っている場合は、子午線が真南から頭の上を通って真北に引かれています。左側には、東の空が、右側には西の空が広がっています。

地平線の、太陽が昇る方角をアセンダント(Ascendant―ASC)と呼びます。太陽は、東のアセンダントから上り、12ハウス、11ハウスを経由して10ハウスの天頂であるミッドヘブン(MC)に到達します。そこから9ハウス、8ハウスを通って、7ハウスの地平線(ディセンダント Descendant―DSC)に沈んでいきます。

さらに6ハウス、5ハウスを経由して4ハウスの天底またはイムム・コエリ(IC)に達し、3ハウス、2ハウスを経由して再び東の地平線を昇っていきます。占星術ではアセンダント、ミッドヘブン、ディセンダント、イムム・コエリの4つの点のことをアングル(Angle)と呼びます。

これらの12のハウス(室)は、12のサインが地上レベルに降ろされたものと考えられています。12のハウスは、私たちの人生の活動舞台、もしくは表現領域を表しているのです。それぞれのハウスが表す人生の活動舞台は、天上のサインが持つ性質を受け継いでいますので、1ハウスには、牡羊座の性質、2ハウスには、牡牛座の性質という風に続き、最後の12ハウスには魚座の性質が反映されています。

各ハウスの表す活動領域

1ハウス

1ハウスのキーワードは、「外観」「個性」「活力」「肉体」。1ハウスは、自己と世界の仲をとりもつ仮面、あるいはその人の自己イメージ、他者の目に写るその人のイメージを表しています。心理占星術では自己像やアイデンティティという意味で考えられています。

2ハウス

2ハウスのキーワードは、「資産」「持ち物」「獲得」。2ハウスは、個人の持つ財産や持ち物、生計を立てる方法などを表します。心理的には、外部のものと自分を結びつける心の働き、価値観、大切だと思うもの、そして「自己価値」という概念で捉えられます。

3ハウス

3ハウスのキーワードは、「コミュニケーション」「習慣」「日常」です。3ハウスは、日常レベルで働いている心、他者や外の世界への習慣的反応、兄弟姉妹、親戚、短距離の旅行、コミュニケーションなどを表します。心理的には、日常的なものに対する無意識な心のありよう、考え方や話し方などを表しています。

4ハウス

4ハウスのキーワードは、「安心」「家庭」「心理」「基盤」です。4ハウスは、親、家庭、共同体、土地、自分の感情的基盤、過去と伝統への繋がりなどを表します。心理的には、自分を他者と結ぶ心の機能、受け継いだ心理的構造、子供時代の家庭環境について表すと考えることができます。

5ハウス

5ハウスのキーワードは、「創造性」「自己表現」「遊び」「子ども」「恋愛」です。5ハウスは、創造的に自分を表現することを望む心の働きや、自分らしさを感じる役割を自ら選び演じることを表しています。心理占星術では性的表現や、愛情表現にも関わると考えられています。

6ハウス

6ハウスのキーワードは、「健康」「世話」「勤勉」。6ハウスは、生きていく上で必要な日々の仕事、日常的な行動や習慣、義務やサービス、健康にまつわる衛生や栄養、食事なども表します。心理的には、満足することを先送りできる心の働きや、他者(社会)や必要なものに奉仕する態度などを表します。

7ハウス

7ハウスのキーワードは、「パートナー」「関係」「競争相手」です。7ハウスは、結婚相手、仕事仲間、パートナーシップ、私とあなたとの関係性を表しています。心理的には、外の世界に向き合う時、その現実への反応に関わる心のあり方、人間関係のパターンや公衆との関係などを表します。

8ハウス

8ハウスのキーワードは、「変容」「死と再生」「個人的無意識」です。8ハウスは、隠された要因、抑圧された材料、変容に関わる出来事や環境の体験、死と、死に関する事柄(遺産など)、人から受け取るお金などを表します。2ハウスが「自分が持つお金」であるのに対し、反対側の8ハウスは「人が持つお金」と捉えられます。心理的には、交友関係を広げ、世界を体験しようとする内なるエネルギーや、トラウマや癒しという意味があり、心理学とも関わりの深い領域です。

9ハウス

9ハウスのキーワードは、「叡智」「世界観」「宗教・哲学」「旅」「高等教育」です。9ハウスは、異文化交流などを通して広い世界を体験し、そこで知覚したものを理解し世界観や人生観を広げる心のエネルギーや、物の見方を定める宗教や哲学を表します。

10ハウス

10ハウスのキーワードは、「天職」「達成」「人生の目標」です。10ハウスは職業や専門、社会的地位や評判など、外的な世界で実現される領域を表しています。社会的に活動しようとする意識的な心のエネルギーを表しています。また、心理占星術では4ハウスを片方の親、10ハウスをもう片方の親として考えます。

11ハウス

11ハウスのキーワードは、「友情」「客観的知性」「社会的理想」です。11ハウスは、友人、仲間、所属するグループや団体、社会的理想を表します。心理的には、社会に出て他者との触れ合いを確立し、グループの中でまとまり、理想を共有することを表します。また5ハウスを「人に与える愛情」、11ハウスを「人から受け取る愛情」と捉えることがあります。

12ハウス

12ハウスのキーワードは、「超越」「秘密」「集合的無意識」です。12ハウスは、夢、犠牲、苦難や隠れた敵、カルマ(因果応報)、隠されたもの、自分を閉じ込める場所、自己超越的体験を表すとされています。心理的には4ハウス、8ハウスと12ハウスを無意識に通じる領域として捉えることがあります。自分の土台を崩すような困難な社会的環境や状況、人に恐れや不安をもたらすエネルギーを表します。

まとめ:ハウスの意味

個人のホロスコープに現れるハウスの性質は、その個人の生まれた時間と場所に関係しています。12のハウスそれぞれは、個人の出生図に従って、12のサインの質を持つことになります。サインは、ある質を表しているのに対し、ハウスはある特定の人生の活動や表現の領域を表しています。人生を舞台に例えると、サインは登場する役者の性格であり、ハウスはその役者が演じている場面や状況にあたります。太陽のサインが獅子座の役者が、5ハウスを演じると、どんな姿をあなたは想像しますか?

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